SOLD OUT
c.1890–1910 France / Watch Chain Bracelet / Silver 800
フランスの懐中時計用チェーンを再構成した、Silver 800のブレスレット。
当初は懐中時計を吊るすために制作されたもので、引っ張られたり揺れたりすることを前提に、手元で小さく動く実用品として用いられていました。
構成の特徴は、二種類のチェーンが噛み合うように重なる点です。
細身のグルメットチェーンをベースに、各コマに対して垂直方向へ二つのテクスチャー入りのコマが噛み合う構造です。
この噛み合うコマには蛇の鱗を思わせる微細なテクスチャーが施されており、面の向きの差によって光が細かく刻まれることで、銀一色ながら陰影に深さが生まれています。
可動する軸が複数あるため、ひねりを加えても無理なく曲がり、横方向へも逃げるように動きます。
立体的な編み込みによって体積は生まれながら、線材が細いため“詰まりすぎない”軽い装着感も得られています。
過剰な装飾ではなく、実用品としての構造がそのまま意匠として立ち上がる、19世紀末〜20世紀初頭のフランス銀工芸らしい態度が読み取れます。
クラスプは当時の板バネ式フックが残されており、交換痕もなくオリジナルと見られます。
猪の頭(tête de sanglier)ホールマークにより、Silver 800素材であることが確認できます。
なお、構造上コマ単位での調整が可能なため、コマを外すことでサイズを小さくすることができます。
調整は約0.9cm刻みでの対応が可能です。
100年以上を経た銀は、強い光沢ではなく柔らかく燻されたトーンへと落ち着き、素材の硬質さよりも温度のある表情を見せます。
控えめな装飾と構造の美しさが、そのまま一本のブレスレットとして成立しています。
・推定年代:c.1890–1910
・製造国:France
・素材:Silver 800(猪の頭ホールマーク)
・全長:21cm
・内周:約19cm
・重量:約21g
・着用:手首周り16.2cmで少しゆとりのあるフィット感
・クラスプ:オリジナル板バネ式フック
・コンディション:経年による燻し・小傷あり
静かな造形美が、日常の手元で自然に機能する一本です。
※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみなどが見られます。
それらは歴史を経た品の特性としてご理解の程よろしくお願いします。
B215
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