SOLD OUT
1910〜1930年代頃のドイツで制作されたと考えられる、ユーゲントシュティール様式のシルバーブレスレット。
ユーゲントシュティールは、19世紀末から20世紀初頭にかけてドイツ圏で展開された装飾様式で、アール・ヌーヴォーと同時代に生まれた潮流です。
自然界に由来する有機的な曲線を取り入れながらも、感情や装飾性に傾きすぎることなく、構造や秩序、反復といった要素を重視する点に特徴があります。
本作もまた、流れるような曲線をモチーフとしながら、全体は左右対称に構成され、強いリズムと安定感を備えています。装飾は単なる表情づけに留まらず、造形そのものの一部として機能しており、静かな緊張感と構築的な美しさが共存しています。
ユーゲントシュティールは、のちにバウハウスが提示する合理的で簡素、機能を最優先としたデザインへと向かう直前の時代に位置づけられます。
本作には、工業化へと舵を切る直前の、職人の手仕事による華やかさや装飾性がまだ色濃く残っており、その過渡期ならではの美意識を感じ取ることができます。
装飾を否定するのではなく、構造と共存させながら成立させていた最後の時代。
後年のモダニズムとは異なる価値基準が、このブレスレットには静かに息づいています。
また、100年を超える年月が生み出した銀のパティナも、このブレスレットを象徴する要素のひとつです。
表面に定着した深い陰影と燻された色調は、磨き直しでは決して再現できないものであり、時間そのものが仕上げとなった表情と言えるでしょう。
素材はSilver 835。
ドイツを中心とした中欧圏で用いられてきた銀規格で、純度をわずかに抑えることで強度と実用性を確保しつつ、長い時間の中で落ち着いたトーンへと変化していきます。本作に見られる深い灰色から黒味を帯びた銀の表情は、約100年以上の使用と静置を経て形成された、極めて自然なパティナです。
装いの中で強く主張することはありませんが、腕に通した瞬間、その存在感は確かに伝わってきます。
新しさや輝きではなく、時間の蓄積によってのみ得られる質感。
ユーゲントシュティールの美意識と、約100年という時間を纏った一本です。
• 推定年代:c.1910–1930
• 製造国:ドイツ
• 素材:Silver 835
• 全長:約19cm
• 内周:約17.7cm
• 幅:約1.1cm
• 重量:約13g
• 着用感:手首16.2cmでちょうど良いフィット感
• コンディション:経年による擦れ・くすみ、深いパティナあり
※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみ、パティナが見られます。
それらは歴史を経た品の特性としてご理解の程よろしくお願いいたします。
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