c.1900–20 France / Structural Link Watch Chain Bracelet / Silver 800(Vermeil)
1900年代初頭から20年代頃のフランスで制作されたアンティークウォッチチェーンを、現代ではブレスレットとして再編した一本。
フランスの小物銀を示す猪のホールマーク(tête de sanglier)が確認できます。
特徴的なコマが連なるリンク構造。
中央に撚りの入った芯を通し、その外側をフレーム状のパーツで包み込むように構成されています。
さらにその上から湾曲したバーで押さえることで、ひとつのコマとして成立しています。
装飾的なモチーフを付加するのではなく、「束ねる・支える・固定する」といった構造そのものが、そのまま造形として現れている点が印象的です。
このような構成は、鉄骨構造に見られるような工業的・建築的な発想ともどこか重なるように思えます。
力を受ける芯と、それを外側から保持するフレーム。
そうした構造の論理をそのままスケールダウンし、ジュエリーへと落とし込んだような造形です。
一方で、その輪郭は流線的な柔らかさを持ち、トルサード(ねじり)装飾が施されることで、無骨さに寄りすぎないフランスらしいエレガンスも感じられます。
構造の論理に、当時の美意識が静かに重ねられたような佇まいです。
工業的なデザイン思考と、それを支える細やかな手仕事。
当時の銀細工職人による精緻な技術が高いレベルで両立した、美しいプロダクトです。
また、各所にわずかに残るヴェルメイユ(=金メッキ)の痕跡も非常に興味深いポイントです。
接合部などに規則的に見られるローズゴールドのような色味から、当時はシルバーとのコントラストを持つツートーンの仕上げであったことが伺えます。
それらは長い年月の中で摩耗し、現在では硫化したシルバーと重なり合うことで、錆のような落ち着いた表情へと変化しています。
当時の華やかさとは異なる、時間によって生まれた静かな美しさも、この個体の魅力のひとつです。
アール・ヌーヴォーやアール・デコといった明確な様式に収まらない、構造を美とするような造形。
当時の建築や工業の思想を、手元に纏うような感覚をお楽しみいただけます。
また、本作は留め具を任意のコマに掛けることができる構造のため、手首に合わせて長さの調整が可能です。
あえて余らせて垂らすように着用することもできます。
さらに、コマを外すことでサイズを小さく調整することも可能です。
推定年代:c.1900–20
製造国:France
素材:Silver 800(Vermeil)
全長:約22.5cm
内周:約20.2cm(留め位置により調整可能)
重量:約14.4g
ホールマーク:猪の頭(tête de sanglier)
コンディション:ヴィンテージ相応の小傷・摩耗、ヴェルメイユの剥がれあり
※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみなどが見られます。それらは歴史を経た品の特性としてご理解の程よろしくお願いします。
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