1905 France / Double Panier Watch Chain Bracelet / Silver 800
1905年、フランスにて製作されたウォッチチェーンを、後年ブレスレットとして再構成した一本です。
ホールマークは蟹(crabe)。
フランス製シルバー800を示す刻印とともに、工房刻印も確認できます。
付属するメダイユには「11 Juin 1905」の刻印が残されており、1905年6月11日という具体的な日付が読み取れます。
ここまで明確に時間と結びついた個体は多くなく、当時の持ち主に紐づくディテールとして残された点も魅力の一つです。
ベースとなるのは丸みを帯びたグルメットリンク。
そこに2連のリンクを重ね、縦横に噛み合わせることで、面として立ち上がるような構造が形成されています。
構造にわずかな複雑さを持たせることで、装飾的な表情を生み出している個体です。
単なる連なりではなく、一つのまとまりとして成立するような立体感が特徴です。
また、線状のテクスチャーが施されたリンクとプレーンなリンクが交互に配置されており、光に対して自然な陰影とリズムが生まれます。
動きに応じて表情が変化する点も、この個体ならではの魅力です。
メダイユに施されたモノグラムは、流れるようなラインを持つ有機的な意匠。
構造的なチェーンとの対比によって、全体に奥行きのあるバランスが生まれています。
ホロウ構造による軽さを保ちながらも、見た目にはしっかりとしたボリュームを感じられる仕上がり。
コマ単位での調整が可能で、コマを外すことで約1.2cm刻みで短く調整することができます。
刻印の摩耗具合から断定には至りませんが、パリの銀細工師工房 Emile Sanner に類する工房刻印が確認できます。
同工房は1892年に登録されたとされます。
100年以上の時を経たシルバー特有のパティナもこの個体の魅力の一つ。
黒みを帯びた陰影と、磨かれた面の柔らかな光沢が共存し、複雑な構造にさらなる深みを与えています。
この重層的な構造と、刻まれた日付の重み。
ここまで構造・状態・背景が揃った個体は多くなく、この一本だからこそ成立している魅力です。
それらを日常で享受できるのは、アンティークの醍醐味だと思います。
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推定年代:1905年頃
製造国:France
素材:Silver 800
全長:約22.5cm
内周:約19.8cm
幅:約1.5cm
重量:約34.3g
コンディション:全体に小傷や経年による摩耗あり
※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみなどが見られます。それらは歴史を経た品の特性としてご理解の程よろしくお願いします。
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