c.1945–49 Czechoslovakia Black Onyx Monogram Ring / Silver 800
大ぶりなブラックオニキスの上に、美しい比率でNLのモノグラムが収められた、チェコスロバキア製のヴィンテージリング。
一見するとクラシカルなモノグラムリングですが、
細かく見ていくと、戦後直後の中欧らしい独特な美意識が感じられる個体です。
特に印象的なのが、規則正しく放射状に広がるショルダーデザイン。
整理されたラインによって構成された台座には、Late Deco(アール・デコ後期)的な空気感があり、
装飾性だけでなく、均整や秩序を重視したデザインが感じられます。
どこか建築装飾のようにも見える、整った面構成が非常に美しい一本です。
その一方で、モノグラムには柔らかなスワッシュが用いられており、硬質で直線的な台座に対して、有機的なエレガンスが重ねられています。
無機質な構成美と、手仕事による曲線の柔らかさ。
その対比がこのリングの大きな魅力だと思います。
チェコスロバキアのこの年代の銀細工は非常に面白く、
バロックの痕跡を感じる装飾的な作品や、
フォークロア的な民芸感覚を持つもの、
さらにアール・デコやキュビズムの流れを感じさせる幾何的な作品など、様々な感覚が混在しています。
このリングもまた、そうした中欧圏特有の文化的な混ざり合いがよく表れた一本。
完全に都会的で機械的なモダニズムではなく、どこか人の手の感覚が残っているような。
その絶妙なバランスに、チェコスロバキアのジュエリーらしい魅力を感じます。
また、この個体はクローズドバック構造になっており、裏面から石が露出しない丁寧な作りも特徴の一つ。
チェコのモノグラムリングでは、オープンバック構造のものも比較的多いため、見えない部分までしっかり銀で閉じられたこの仕様には、静かな重厚感があります。
黒いオニキスの平面に、紋章のように浮かび上がるNLのモノグラム。
単なるイニシャルリングというより、造形の一部として成立しているような存在感を持った、非常に魅力的なヴィンテージリングです。
内側には、1945–49年の短期間のみ使用された、
チェコスロバキアの三角形の5ホールマークと、Silver 800を示す刻印を確認できます。
戦後直後という時代の空気を色濃く残した、中欧ヴィンテージジュエリーらしい美しい個体です。
・年代:c.1945–49
・製造国:Czechoslovakia
・素材:Silver 800 / Black Onyx
・サイズ:24号
・台座サイズ:約1.7cm × 1.3cm
・重量:5.6g
・コンディション:経年による小傷や擦れが見られますが、着用に支障のあるダメージはございません。
※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみなどが見られます。それらは歴史を経た品の特性としてご理解の程よろしくお願いします。
B285
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