SOLD OUT
c.1920 Norway → Sweden / Folk Rose Band Ring / Silver 830
ノルウェーで製作され、スウェーデンに輸入された、推定1920年代頃のシルバーリング。
バンド状の細身のシルエットに、薔薇と葉を連ねた装飾がぐるりと施された一本です。
ローズマリングのような有機的な植物の曲線が見られます。
ローズマリングはノルウェーを中心とした北欧で18〜19世紀頃に発展した装飾芸術で、木工や家具、民族衣装の刺繍などにも広く用いられた文様です。
本作に直接的にそれをトレースしたと断定することはできませんが、曲線で花弁を描き、葉の重なりや流れをリズミカルに表現する手つきには、その民芸的な美意識との共鳴を感じさせます。
甘いモチーフでありながら、造形自体は極めて節度があり、金属の質感が持つ冷たさと重さが、装飾の装いを引き締めています。
モダンに洗練された北欧シルバーが有名ですが、フォークアートや民族的なモチーフを持つプリミティブな銀細工にも、また違った魅力があります。
都市的なミニマリズムとは異なる、素材と手仕事の温度がそのまま残された世界で、北欧デザインの前段階にあった文化の層を感じさせます。
また、100年を超えて蓄積された銀の経年変化が、この植物的なモチーフと相まって、アンティークらしい重厚な魅力を帯びています。
素材の酸化によって生まれたパティナが彫りの溝に溜まり、陰影が強調されることで、当時の造形がより立体的に浮かび上がります。
研磨によって輝きを取り戻すことも可能ですが、こうした表情は時間の積層によってのみ生まれるものです。
素材は830シルバー。
当時のノルウェー銀細工で一般的に使用された純度で、強度と加工性に優れ、細やかな造形にも適していました。
同時代の北欧銀器やジュエリーにも広く採用されていた素材で、19〜20世紀の北欧民芸銀にとって一つの基準となる存在です。
内側にはスウェーデンのインポートマークが確認できます。
ノルウェーで製作された後にスウェーデンの検定機関に持ち込まれ、市場流通に適合させるために打刻された刻印です。
モチーフは可憐でありながら、銀特有の冷たさと経年変化が加わることで甘さが抑えられ、ユニセックスで取り入れやすい仕上がりとなっています。
手元のさりげない変化として、日常にも馴染むタイプのリングです。
・製造:Norway
・輸入:Sweden
・年代:c.1920
・素材:Silver 830
・サイズ:15号
・コンディション:経年のくすみ・摩耗あり
※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみなどが見られます。それらは歴史を経た品の特性としてご理解の程よろしくお願いします。
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