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c.1950–60 France Anchor Watch Chain / Silver 800

170,000円

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c.1950–60 France Anchor Watch Chain / Silver 800 ミッドセンチュリー期のフランスで製作されたキー&ウォレットチェーン。 本来は懐中時計用のチェーンとして制作された個体ですが、現代ではキーチェーンやウォレットチェーンとして非常に使いやすいバランス感を持った一本です。 実用品としての強さと、シルバージュエリーの美しさを兼ね備えた、非常に完成度の高いプロダクトです。 蟹(crabe)のホールマークと工房刻印が確認できる、フランス製 Silver 800。 蟹のホールマークはトグルのTバー部分に2箇所、フック側面に1箇所確認でき、工房刻印はトグルのTバー部分に確認できます。 工房は、1932年にパリ7区 avenue de Ségur にて登録された Jacques Haichais。 高級住宅街や官公庁街にも近いこのエリアに工房を構えていたことからも、当時のパリで高い技術を持った宝飾工房だったことが伺えます。 現在では、時代の変化や大量生産化、世代交代などの流れの中で、その名を見る機会も少なくなった工房の一つです。 「3本の筆」をシンボルに掲げたこの工房からは、単なる金属加工ではなく、造形そのものへの強い美意識が感じられます。 このチェーン全体から感じられるのは、当時のデンマークを中心とした北欧シルバーの影響。 特に、角ばったリンクを密度高く連結したチェーン構造には、戦後デンマークのアンカーチェーンに通ずるソリッドなモダニズムが感じられます。 丸線主体のクラシカルなチェーンとは異なり、平面的な面構成によって静かに光を反射する設計。 装飾を加えるのではなく、構造そのものを美しく見せようとする感覚が強く現れています。 チェーン全体も、捻りや引っ張りへの強さを考慮した非常に実用的な構造。 リンクをコンパクトかつ密度高く連結することで、荷重が一点に集中しにくく、道具としての強さと美しさを両立しています。 これは単なる装飾品ではなく、“使うための道具”として設計されていることがよく分かる構造です。 特に印象的なのがトグル部分の設計。 同年代のフランス製チェーンでは、ボール状の留め具を引っ掛ける構造が一般的ですが、こちらはTバーを楕円状の溝へしっかりと噛ませる特殊な構造となっています。 視覚的にもデザインとして非常に完成されており、同時に実用性にも優れた設計。 しっかりと噛み合うため、不意に外れてしまう心配も少なく、実際の使用まで考慮された職人的な精度の高さが感じられます。 こうした構造面を見ると、この個体は単なるフランス的な装飾品というより、北欧モダニズムをフランス的に再解釈したプロダクトのようにも感じられます。 ソリッドな構造や機能美そのものは北欧的でありながら、フックの流れるようなラインや全体の軽やかなバランス感覚からは、どこかフランスらしいエレガンスも不思議と感じられます。 北欧の純粋なモダニズムが持つストイックさとは少し異なり、ジュエリーとしての柔らかさや色気が残されている点も非常に魅力的です。 戦後のヨーロッパでは、サスペンダー主体だったクラシックな装いから、ベルトを用いたモダンなスタイルへと徐々に移行していきます。 懐中時計文化が衰退していく一方で、チェーン自体は鍵や小物を携帯する実用品として残り続け、この時代特有の新しい用途へと変化していきました。 このチェーンからも、そうした時代の移り変わりが感じられます。 懐中時計チェーンの文化を引き継ぎながらも、戦後モダニズムや北欧デザインの影響を取り込み発展していった、当時のヨーロッパらしいデザインの変化。 フランスらしいエレガンスと、モダニズムの機能美。 その両方が同時に存在している、個人的にも非常に魅力を感じた逸品です。 推定年代:c.1950–60 製造国:フランス 素材:Silver 800 全長:約36cm クリップ全長:約4.5cm トグル使用時全長:約30cm 重量:約19g ホールマーク:crabe(蟹) 工房刻印:Jacques Haichais(JH / 3本の筆) ※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみなどが見られます。それらは歴史を経た品の特性としてご理解の程よろしくお願いします。

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