c.1880–1900 France French Ivory Watch Chain
19世紀末頃、フランスで製作されたと考えられるフレンチアイボリーのウォッチチェーン。
象牙の代替素材として生まれたフレンチアイボリーを使用した、珍しい一本です。
フレンチアイボリーとは、19世紀後半に登場したセルロイドを代表とする、天然の象牙を模して作られた人工素材です。
当時、象牙は装飾品や日用品など幅広い用途に使用されていましたが、希少で高価な素材でもありました。
そうした天然素材に代わるものとして開発されたセルロイドは、象牙特有の乳白色や繊細な紋様を再現できる新しい素材として、19世紀後半から普及していきました。
単に安価な代用品というだけでなく、それまで天然素材に頼っていた装飾品の製作に、新たな可能性をもたらした素材でもあります。
今回のウォッチチェーンにも、柔らかなクリーム色の中に細かな茶褐色の紋様や色の濃淡が見られ、天然の象牙を思わせる温かみのある表情が感じられます。
特徴的なのは、四角いリンクが規則的に連なる幾何学的なデザイン。
直線的で装飾を抑えた構造は、19世紀のものとは思えないほどモダンで、洗練された印象を与えます。
一方で、フレンチアイボリーの柔らかな色合いと、経年によって生まれた味わい深い風合いが、そのシャープな造形に温かみを添えています。
幾何学的な造形と有機的な質感。
相反するような二つの要素が、絶妙なバランスで共存しているところが魅力です。
また、フレンチアイボリー自体は当時の化粧道具や日用品などにも使用されていましたが、今回のように幾何学的なリンクを連ね、金属製の金具と組み合わせたウォッチチェーンは、あまり見かけない組み合わせです。
金具には、一般的なバネ式とは異なり、ネジを回して開閉する古い形式のドッグクリップが使用されています。
反対側には大ぶりのスプリングリングが取り付けられ、当時の懐中時計を携帯するための実用的な構造が残されています。
フレンチアイボリーの柔らかな質感に対して、金属製の金具が持つ無骨な機械的構造もまた、このウォッチチェーンの魅力を引き立てています。
人工素材が新たな可能性を広げていた時代に、伝統的な時計鎖の構造と組み合わされた、非常に面白い一点だと思います。
懐中時計を持ち歩く機会が少なくなった現代では、キーリングとしてはもちろん、腰回りのアクセサリーやバッグチャームとして取り入れるのも素敵です。
かつては実用品として使われていたウォッチチェーンを、現代の装いに合わせて自由に楽しんでいただきたい一本です。
推定年代:c.1880–1900
製作国:France
素材:French Ivory
全長:25.2cm
重量:8.9g
コンディション:経年による小傷、くすみ、色むらなどが見られます。
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※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみなどが見られます。それらは歴史を経た品の特性としてご理解の程よろしくお願いいたします。
※撮影に使用しているリングケース・ジュエリーケース・ブレスレットケースはディスプレイ用です。商品には付属いたしませんので、あらかじめご了承ください。
※カフ・バングルの円周は、本体の内側に沿って計測した長さに、開口部の長さを加えた数値を記載しています。
※商品のイメージ違いやサイズ違いなど、お客様都合による返品・交換はお受けしておりません。サイズ感にご不安がございましたら、着用感などもご案内いたしますので、ご購入前にお気軽にお問い合わせください。
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