SOLD OUT
c.1900–10 France / Gothic Gate Bangle / Silver 800
1900年代初頭のフランスで制作されたと考えられる、シルバーバングル。
フランスの蟹のホールマーク(Silver 800)と工房刻印が確認でき、当時の正式な検定制度のもとで製作された銀製品です。
内部に透かし状の構造体を持ち、それを外側のフレームで保持する二層構造の造形は、一般的な装身具というよりも金属工芸の発想に近いものです。
植物や象徴をモチーフとした当時の装飾ジュエリーとは明確に距離を取り、直線的なリズムと反復によって構成されています。
この造形から想起されるのは、宝飾史におけるアール・ヌーヴォーではなく、鉄柵や門扉、内陣スクリーンなどに見られるゴシック建築の金属装飾、いわゆるferronnerie の世界です。
垂直性、区切り、透過、反復といった建築的な要素を、手首という極めて小さなスケールに圧縮したような構成であり、装飾性よりも構造そのものが前景化しています。
透かし部分には、フルール・ド・リスを思わせる三つ又状の葉のモチーフや、蔦のように連なる曲線が見られますが、それらは象徴性や華やかさを目的としたものではなく、あくまで構造の一部として整理されています。
有機的でありながら感情に寄らず、秩序を保った装飾です。
クラスプには、スティック状のバーで固定する構造が採用されています。
この形式はアンティーク期には見られるものの、エスニックやトライバルな文脈で用いられることが多く、フランス製の銀製バングルとしては極めて珍しい仕様です。
本作では装飾と同様に、構造の一部として自然に組み込まれています。
金属装飾としての「ゲート」を、そのまま装身具へと落とし込んだ稀有な作品。
ジュエリーという枠組みを越え、建築的思考と銀工芸が交差した一点です。
• 推定年代:c.1900–10
• 製造国:フランス
• 素材:Silver 800
• 内周:約17.5cm
• 着用感:手首16.2cmでちょうど良いフィット感
• 幅:約1.9cm
• 重量:約22.7g
• クラスプ:スティックバー式
• コンディション:アンティークとして良好(経年による細かな擦れあり)
※当店で扱うアンティーク・ヴィンテージ品は、いずれも経年による小傷やくすみなどが見られます。
それらは長い時間を経てきた品の特性として、ご理解の程よろしくお願いいたします。
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